映画は虚構、俳優は妄想??
観てはいけないと思いつつ、女優さんの魅力に負けてまた漢字だらけの動画を観てしまった。
その中で、以前言われていた撮影中の事故場面を捉えた動画に遭遇した。
いわゆる世間で定着したイメージとは真逆なストイックな真摯な姿勢が映し出されていた。悪いことに?、少々の危険は黙認、安全配慮に欠けた国の監督作品ということもあってか、女優さんもヒートアップして、痛々しい映像が延々と流れる。
演じることに疑問を感じて、何度も何度も言い表そうとする彼女はまだ大学卒業したくらいの年齢。
しかし、あらためて作品を見るとすでに経験はかなり積んでいる。それも主演として。
そうなんだよ。
脇と主演は全然違う。
あの健さんも苦しめられた、お金になる映画、つまりヒットする映画・ドラマの全責任が主役に覆いかぶさると言っていいのが、主役の苦労。
100人近いスタッフ、場合によっては数百人のエキストラが、主役次第で何度もやり直し。痛い、疲れたは禁句。
2年前に脇として共演した俳優が、今度は相手役としてワイヤーアクションなどで痛めつけられている。彼は泣き言を言いそうになっても、主役が笑顔で頑張っているからついて行けたと語っていた。(そういうもんだ。主役の責任は。)
と、これが死の後に公開されたならいいのだが、現在活躍中に見てしまうと。
ほんわかしたイメージが崩れる。
(会社の戦力としてはマイナスだろう。)
もちろん、頑張るを前面に出した作品もあるが、好評なのはホンワカイメージ。
寅さんを演じた方もその虚像に苦しんだ一人だよなあ。
どんな役を演じても寅さんとして見られる。
亡くなった健さんが最後の作品の密着取材で、この女優さんに漏らしていたよな。
いいことなんか一つもなかった、と。
(耳大きいですね、福耳ですね、と、話しかけるのがあの人の天性。気を許したんだね。)
たしかにそうなんだ。
1年に何本も同じやくざ映画ばかり。
あまりに嫌で3か月逃亡したと、その時はまだ脇の仲のいい俳優さんが語ってた。
晩年、作品を選んでと言っていたが、何をやっても健さんは健さん。
決してダメダメ人間じゃない、同じスタイルの人間像。
今回、ウイルス騒動で裏側とか素顔とかの映像を楽しみに探していたが・・・・
我々は、虚構の映画と虚像である俳優を見ていた方が幸せかも。
デビューして20年にもなっている。
会社でいえば、そう、アルバイトから初めてあっという間に店長になったと思ったら、社長に抜擢、という展開ですよ。
大手事務所の稼ぎ頭。
その方に数百人の運命がかかっている、と言ってもいいくらいの大きさ。
今、人が集まる映画・ドラマは全滅状態。
まるで虚構が現実になったよう。
その現実社会で、やはり醜いまま突っ走る輩が脇だけでなく、主役級が多数いる酷さ。
映画でいえば、猿の惑星はまだかわいい。
マッドマックスもそこそこ。
一番近いのは、実録の第二次世界大戦だろう。
「1億人の昭和史」全15刊(1977年)・・・今から43年も前だ。
私が手にしたのは、塾で教えるべきと思った29歳ぐらいだったか。
イケイケどんどんな時代だった。
いつか子どもたちに伝えるべき時があると思った。
が、塾長に嫌われて、そのチャンスは逃した。
代わりに、自分の子どもには、高校卒業前に見せた。
県外へ送り出すと、もう帰る必要はないが、これだけは見ておけと。
今見ても、あれが現実かと驚くばかりだ。
映画は観る方も、作る方も、その時は幸せな時代だということ。
我が県も22日から営業自粛で大型集客施設はNGだ。
映画はネットで。
私の生活はほぼ変わりないが、俳優さんは・・・・・
2020年、第三次世界大戦。敵はウイルスか、それとも悪意ある人間か。