引退試合
シーズンの最終2試合でも、まだ順位争い真っ最中であった。
非情に徹するなら、引退選手の代わりに登録が消される選手が出る訳で、難しい決断だったと思うが、それでもその功績に感謝を表したいという球団・フロントの決断だったのだろう。
例によって、監督の采配ミスや捕手の無能のよって、気持ちよく終わるはずが、同点からの逆転負けに9割方傾いた試合だった。
もし負けていたら、そのあとのグランドでの引退式は残念な気分であったろう。
対戦相手も心中複雑。
それほどまでにしてくれる球団が羨ましいという反面、残り試合が多いということで勝てば勝つほど3位になれる可能性が高まる。
入団一年目からの抑えとして活躍した、その重責は監督が一番理解できることだろう。
なにしろ、今年は抑えがついに崩壊しているのだから。
3連覇しているというが、全然ゆとりの抑えではなかった。
ゆえに日本シリーズでは機能しない。
まあ、結果オーライという言葉があるが、それ以上にどんな形でも勝てて良かったという試合でした。
地元TV局は、全国向けの番組途中で割込み、一時間遅れの開始ながら、正式放送終了後の夕方ニュース番組中も試合を中継し続け、なんとそのまま引退式典の終了まで任務完遂。(残り10分でした)
延長があと1回長引いたら無理な展開でした。
本当に幸せな最後の花道でしたね。
日曜日の試合が台風で中止になったから実現できた月曜(祭日)の奇蹟。
日曜日だとローカルTV枠は無しだから。
FAやトレードで来た選手は一味違った驚きの試合だったろう。
自分がいるチームはこういうチームなんだと。
余談だが、後で見れた始球式で、長女が見事な投球をしていた。
あれの後では、直球勝負でいいところ見せたい思いが高まったことだろう。
相手打者の打球は、一塁正面だが少し高い強いバウンドで難しい感じだった。
決して上手とは言えないアンパンマンが必至に胸で止めて、全速力でカバーに入った投手へトス。~ギリギリアウト。
思えばこれがこの試合を象徴する紙一重のプレー。
全速力でカバーに走らなければ成り立たない、投手は9番目の野手であるこのチームの姿勢。(投げた後のフームも良くないと間に合わない。)
最後の最後まで選手として基本に忠実な見事なプレーでした。
いやあ、本当に、勝てて良かった。
家族も泣いていたが、実にいい引退試合をチームが作ってくれた。
もちろん、試合終了後もファンは帰るわけもなく、いつまでも名残惜しくグランドを見つめていた。
PS,
台風で中止になった試合が最終試合。
金曜日。
癌にかかった野手の引退試合です。